かわいい???・・・直径10㎜のハート型ピンバッチ

去年つくった超小型勾玉の写真を観た千葉の女性から、直径10㎜のハート型ピンバッチの注文を受けたのは、もう二ヶ月も前だ。

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どうだ参ったか!の勾玉巴。この写真を観て注文してくれたらしい。

彼女はハート型の小型ピンバッチを集めているのだそうで、ヒスイで作って欲しいとのこと。

私は縄文スタイルと銘打って誰も作ったことのない作品群を作ってきたが、どれも土俗的というか民芸品的な感じの作品ばかり。

ハートを作るとは夢にも思わなかった・・・「かわいい」って難しいのである。

直径10㎜のハートだと、不純物の多いヒスイはどんどん削れていって形になってくれないことは想像できたので、質の良い原石の入手に奔走。

質だけじゃなくて、「かわいい!」感じのヒスイじゃなきゃ駄目。

集めたヒスイから四個試作して完成したのは一個だけという難しさ。

原石を削って形にする「切削」の段階でぴったりの形と大きさだと、「研磨」の段階でドンドンドンヒスイが削れて小さくなっていったりする。
その加減が難しい。
ほんの僅かな不純物があると大きく削れて不格好になっていくし・・・。

途中で失敗しては工夫を重ねていったが、ある程度の大きさがあれば歪みも目立たないからいいのだけど、直径10㎜だともろに目立ってしまう・・・。

勾玉は平面形状がシンメトリックじゃないから、その意味で形が歪んでも味になってくれて楽なのだが、ハート型は平面形状がシンメトリックなので誤魔化しが効かなくて大変。
特にハートの頭のクビレ部分に研磨具が入らなくて困った。

完成したハートも、クビレをもっと鋭角にしたかったがこれが限界。

平面的なハートにだけはしたくなかったので、厚みも10㎜から研磨していって、最終的には7㎜のポッテリした感じに仕上げた。

艱難辛苦幾星霜、苦節二ヶ月も試行錯誤して完成したハートがこれ!

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どうですか?

かわいい???

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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