工業化に文化があるか?・・・自家製かき餅に想う
我が家では餅は自家製だが、お袋がひび割れた餅でかき餅を作った。
揚げたてのかき餅は、ふんわりモチモチしてとても美味い。
軒下に乾して乾燥させれば誰でも知っているかき餅になるが、これぞ日本の伝統保存食であり世界に誇れる食文化だ。
しかしモチモチ状態のかき餅の美味さを知っている日本人がどれだけいるんだろう?
自家製でないとこんな経験はできないのだ。

我が家の揚げたてのモチモチかき餅は、お袋の味。
何故か最近は、カップ焼きそばにゴキブリが混入したり、某ハンバーガーチェーンの食品にプラスチック片が混入したりという事件が多発している。
大量生産・大量販売をしていれば、異物混入だってあるだろう。
少しでも安く、何時でも何所でも買えるようにという風潮になると、食品の工業製品化は当然の成り行き。
便利な世の中に違いは無いが、果たして工業製品に食文化はあるのか?
近未来の日本に、「お袋の味」と自慢できる食い物を挙げられる人がどれだけ残っているのか?
相次ぐ食品の異物混入事件の多発は、食文化崩壊の危機への警鐘に想えてならない。
TPP問題も、食文化や農林水産の分野での文化保存や育成という視点が欠落しているように思うのだ。
そして俺が属するヒスイ業界も・・・。
俺はヒスイ業界を傍観者の立場から俯瞰しつつ独自路線を歩んでいるが、何でどの業界も大量に売ってやろうとするのか解らん。
右肩上がりの経済神話というヤツの呪縛かね?それらに子々孫々に継承していける文化はあるのか?
皆でつつましく貧乏したらどうだ?
米だけを大量生産する米農家は、スーパーで野菜を買っているのが現在の農業の在り方なのだ。
一極集中・大量生産・大量販売が、21世紀に通用するのか?大いに疑問。
お袋のかき餅を食いながら、そんなことを想った。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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