糸魚川の海岸から姫川薬石が消えた日

久し振りに晴れたので、海岸にヒスイ拾いに行って愕然とした。

何時もなら海岸にゴロゴロ転がっている姫川薬石が、まったく落ちていないのだ。

一ヶ月前は沢山落ちていた。

 薬石が無くなった親不知海岸

事情通に聞いたら、海が凪いできたので関東や信州、それに糸魚川市内の薬石の原石を売っている業者がトラックを乗り付けて、根こそぎ持っていった後らしい。

 

糸魚川市の押上から寺町、青海から富山県の越中宮崎の海岸まで、何所に行ってもまったく無いそうだ。

3・11の後、薬石が放射能を吸着するとかのデマが飛んで以来、原石を大量販売する輩が出て来た。

確かに糸魚川市の石英斑岩や流紋岩は、奈良時代から薬石と呼ばれて薬効ある石と珍重されてきた歴史があるのだ。

薬石が泣いている

 

個人が趣味で集めたり加工するために拾うくらいならたかが知れているが、トラックに積み込んでまで大量に売りさばくのは如何なものか。

法的には、海岸は私有地ではなく、昔から石拾いをする地域という事があるので、行政当局は黙認という事らしい。

ヒスイに比べたら絶対量が多いし、今後も山から供給は続くだろう。

しかし中には一輪車で海岸を運んで、2tダンプ一杯に積んでいく業者もいるとの事。

可愛げがない・・・大人げない・・・知恵もない・・・遠慮もない・・・傍若無人で濡れ手に泡のような商売だねえ。

そんな事してたら、ヒスイ、朱鷺、黒マグロ、ウナギと同じ道を辿るよ。

誰が朱鷺や黒マグロ、ウナギが絶滅危惧種になるまで乱獲されると予想していたのか?

いつだって絶滅危惧種になってから大騒ぎになるのだ。

 

 

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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