去年の今日、原発を越えた・・・「海のヒスイ・ロード」回顧録

去年の5月7日に単独シーカヤックで青森までの航海に出た。

五千年前の縄文時代中期(五千~四千年前)に、糸魚川ヒスイが青森まで運ばれたとされる検証目的の航海で、題して「海のヒスイ・ロード」検証実験航海である。

出発地の上越市居多ケ浜は、天気晴朗なれど波高しという海況で、新聞記者と友人達が見送りに来なかったら出航を延期したかもしれない。

出航直前の愛艇「縄文人(見習い)号」と、全装備品。

 

そして今日、5月12日は柏崎の原発を越えた日。

柏崎港と原発の長大な防波堤を越えて、キャンプ地を探して岸ギリギリを漕いでいたら、裸足で歌いながら踊っている不思議な女性から声を掛けられた。

ライブ前のチューニングをしていた放浪の歌姫、Phokaちゃんだ。

彼女に誘われるまま上陸してご縁ができたのが、「うみカフェDONA」さん。

寺泊のワカメ漁のおばさん。「ほら、獲れたてワカメ持って行きなさい。美味しいよう!」

角田浜の民宿のおばさん。「ビタミン付けて頑張って!」

新潟市のサーフショップオーナーのKuriさん。「俺に何か出来ることありますか?煙草は?保存食は?」

 

今の時期の新潟の海は天候が不安定で、西風が吹くと海が荒れてシーカヤックを弄び、東風が吹くと目を開けていられない程の強い向い風で全力で漕いでも時速0という事もあった。

県内では3度の暴風雨に遭遇して、テントが壊れて廃屋に野宿した事もあった。

寺泊で暴風雨に遭遇して、何もない砂浜で四日間の野宿した時には、糸魚川市から友人達が激励に来てくれた。

 

記憶に残っているのは、風景よりもそんな航海で出会って親切にしてくれた人々の事。

皆さん、ありがとう。

私の愛と感動の冒険奇譚(笑)もとえ航海の詳細は、近日発刊予定の「糸魚川郷土史誌」の中で、「海のヒスイ・ロード」単独シーカヤック実験航海記」として報告されております。

市内の本屋さんで購入可能ですが、糸魚川の図書館でも借りる事ができるハズ・・・読んでみて頂戴。

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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