抽象について考える・・・マンタ形ベンガラ彩色石笛
縄文時代の土器や石器に多用される文様の意味は?
よくこんな質問をされるが、図像学という学問では色んな見解が成されている。
図像学は、キリスト教絵画に描かれた象徴的なアイテムの意味を読み解く研究から発達したが、個人的には好きではない。
現代人が知識を総動員して頭を捏ね繰り返しても、縄文時代の人の事など解りゃしないと思うのだ。
解ったつもりが、実は現代人が理解しやすく説明を付けただけではないか?
テレビのオカルト番組で、人魂を観たという体験談を語っている一般人に対して、早稲田大学の大槻教授が「その現象は現代科学で説明はつきます。」と言って、人魂の再現実験を披露していた。
そりゃ現象としては似ているだろうが、人魂を観て恐怖体験をしたという体験者と同じ現象なのか?
再現実験を観ても、何も恐怖を感じないではないか。
「人気のない闇夜で浮遊する光る物体を観て恐怖した」・・・ここまで含めて人魂体験ではないのか?
そんな事を想いながら作った石笛。
沖縄の海で観たマンタ(糸巻エイ)をイメージしたが、余分な部分を削ぎ落としてピュアな部分だけ残したつもり。
私はこれを抽象化と呼んでいるが、美術用語の意味とは違う。
こんな風にして、縄文文化に多用された文様の意味に出逢いたいもんである。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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