一年も睨めっこしたヒスイで勾玉作った・・・結果は如何?
去年購入した高価なヒスイ原石。
普段は中程度のヒスイを手間暇かけて売り物になるように苦労しているのだけど、透明感と発色のよいヒスイで作った方が売れ行きがいいのは確か。
ヒスイ加工を始めたばかりの頃、ガラスのように透き通ったこの手のヒスイで作った勾玉を観ては、何時かは俺も!と憧れていたもんだ。
そこで清水の舞台から飛び降りた積もりで買ったはいいけど、どこをどうカットすればベストなのかと考えている内に一年が過ぎていった。
折しも極上ヒスイで勾玉の注文・・・ついにお宝ヒスイをカットする事になった。
完成した勾玉・・・ネットリした透明感が表現できていないので、明日はライティングを変えて写真の撮り直し。
一年に及ぶ観察で、ベストのカットすべき線が観えてきていたのだ。
白い部分が若干灰色がかってはいるし、緑の部分には黒ずんだ角閃石も多い原石なので、カットしてみたら綺麗な部分はほんの少しという事だってある。
覚悟を決めてカット、そして勾玉を作った。
ネットリするような質感、鮮やかな緑色・・・やっぱ美人のヒスイだが、最適なライティングや露出に辿り着くまで粘って撮影したい。実物は本当に綺麗で、ヒスイ仲間に見せたらかなりな金額で売れると太鼓判を捺してくれた。
ノイズが出てしまった透光写真。ISO感度の設定が悪いのだが、カメラの師匠であるキーさんからは「照明がずいぶん上達した。」と褒められた。
と言ってもベテランのヒスイ関係者なら、惜しげもなくカットして端材だって捨てちゃうのかも知れない。
それでも同じヒスイはこの世に二つとない・・・ヒスイに対する畏れが私には人一倍強いのだ。
なんてたって自宅が奴奈川族のヒスイ工房遺跡の真上にある奴奈川族末裔だし、ヒスイ職人の中でも唯一?の奴奈川神社氏子だから(笑)
さて、けんか祭りまであと二週間!
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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