夏が来れば思い出す・・・工業高校のコンクリートカヌー
三年程前の夏、上越市の工業高校の先生から頼まれて、全国の工業高校や大学が参加するコンクリートカヌー大会出場のためのカヌー作りを頼まれた。
私は丸木舟なら作った事はあるが、コンクリートカヌーなんて作った事はない。
かろうじて大会に間に合ったコンクリートカヌー。精度が・・・(笑)
それでも船の事なら多少の知識があるし、しかも1級土木施工管理技士とコンクリート技師の資格を持つ元橋梁設計士!
早さと安定性という相反する性能を持つ船型や、コンクリート配合設計、施工方法などアドバイスした。
ところが肝心の高校生にその技術を理解できるほどの知識の受け皿と、もの作りノウハウがない(笑)
出来上がったカヌーを見て暗然とした・・・船型も酷いが精度が悪過ぎる・・・。
進水式は校舎裏にある高田城のお堀。
船縁が浅すぎて乗るだけで水が入ってきたが、設計時にはその事へのアドバイスはしてあったのでR。
「こら~!沖にでるな~!沖は慣れてからにしろ~!」という私の怒鳴り声が聞こえたのか聞こえなかったのか、漕ぎ手の高校生は冒険心を押さえ切れずに沖に漕ぎ出したのであった・・・この直後に悲劇が・・・。
ハシャグぐ高校生に「真面目にやれ~!」と怒鳴っても、まだ子供の高校生達はキャーキャー言いながらお堀の真ん中あたりまで漕ぎ出して見事に沈没!
水没して見えなくなったカヌーをどうする?すぐ近くの自衛隊に出動要請するか?高田城の管理事務所に水を抜いて貰う???
1週間後の迫った大会をどうすんだあ????指導の先生と鳩首会議。
私の車には素潜り道具とロープ類は常備してあるので、お堀に潜ってカヌーを引き上げることに成功して、大会に出場できた。
城のお堀に潜った事のある人って、滅多にいないだろうねえ(笑)
あの時の高校生たちは今頃どうしているだろうか。
夏が来れば思い出す、暑くて熱い夏。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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