ヒスイとヒトのモノガタリ・・・銘「月光」
月をテーマにした石笛のご注文。
こんな時は象形文字の漢字が重宝する。
そこで絵と文字のどちらでも通用しそうな篆書体の月をヒスイ製石笛に線刻した。
商品撮影は一種のお見合い写真だから、月光をイメージして撮影。
静寂の月夜・・・浅黄の夜空に冴えわたる月光・・・ピアノソナタ「月光」の第一楽章が聴こえる・・・かな(笑)
篆書体の月はこんなカタチ
透明な月光が深海に差込んでいる・・・そんなイメージを抱いて貰えたら嬉しい。
使用したヒスイ原石は「色がない」と人気がなく、商品化されることは滅多に無いタイプの原石。
しかし私には模様や綺麗な発色が無い分、インスピレーションが大いに刺激される貴重なヒスイ。
一般的には色がないと評価されるけど、私には象牙色をした上品なヒスイと観える。
誰が見ても綺麗なヒスイで作品が作れるのは喜びには違いないが、誰もが見向きもしない原石の佳さを見出して作品を作ることも大きな喜び。
抜群の透光性を持ち、地味だけど上品な色合いと質感のお茶っぴきヒスイ・・・長所を最大限に活かすモノ作りが私の生甲斐。
ヒスイの稀少性だけに焦点をあてるに止まらず、どんな作品を作ればヒスイが喜んでくれるのか?
そして作品がお客さんの手に渡った後にどんな感想を持つのか?
この過程を「ヒスイとヒトのモノガタリ」と、私は呼んでいる。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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