ホルスの目・・・船乗りの護符
古代エジプトで生まれた「ホルスの目」は、ハヤブサの姿をした天空神ホルスの目であり、特に右目は太陽神ラー、左目は月の女神ウアンジェトの象徴とされる。
いわゆる護符だが、邪眼を睨み返す呪いでもある。
類例は西アジアに多くみられ、西洋の大航海時代以前からアラビアやインド商人たちの船の船首に描かれてきたし、東アジアでは中国の福建船が「龍眼」として各地に広めていったようだ。
今でもヤンマーの漁船の船首には、赤い龍眼がデザインされている。
迷信だと笑うなかれ。
板子一枚下は地獄という大洋の真っただ中で、海の災いを睨み返してくれる船首の目が持つ意味は、船乗りにとっては切実。
石笛に線刻し始めた時から挑みたいと思いつつ、小さな石笛の中に細くて複雑な模様の線刻をすることに自信がもてず躊躇していたが、なんとかカタチになってくれた。
今回は右目、すなわち太陽神ラーを描いたが、右利きの私には左目を描くという事は難しいのだ。
まだまだ修行は続く。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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