秘密兵器導入・・・トランススライダー

武四郎の大首飾りは縄文から古墳時代、一部近代に作られた250点ほどの玉類がのうち、硬玉ヒスイはたった9点のみ。

大半を占める水晶や瑪瑙をヒスイと同じ乾式研磨をすると、熱膨張で表面剥離するリスクがあり、またヒスイにしろ現代工具では光沢が出過ぎてしまい古代の玉類とは雰囲気が異なってしまう。

そこで導入したのがトランススライダーという電動工具の電圧を調整して、任意に回転速度などが落とせる機械。

以前から欲しかったのだけど、通常業務なら無くても技術でカバーできるので安易に機械に頼ることは戒めていた。

しかし今回は大量の出土品をコピーする仕事なので必須だし、これさえあればガラスなどの脆弱な素材も加工でき、刃物研磨にも活躍してくれるはず。

研磨機は業務用なので精度がよく回転数も絶妙だったが、作品を実測図通りに作るための微妙な寸法調整や水晶や瑪瑙加工するには1割から3割程度は回転数を落としたいのだ。

普段はほとんど使わない超音波孔開け機も、大量の管玉と丸玉を作るために使いやすいようにセットアップし直した。

テッシュペーパーから照明器具の位置まで大胆に変更したし、出土品レプリカ作りに便利な工夫をしたが、作品作りよりこういう仕事の方が楽しい(笑)

トランススライダーはこれからヒスイ加工したいという方で、グラインダーで切削研磨したいという方にもお勧めできる便利な機械。

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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