琅玕 ヒスイとかぐや姫・・・還暦祝いの勾玉象嵌カンザシ
高校の後輩が、お世話になった方への還暦祝いにと勾玉を象嵌した簪を注文してくれた。
木部も自作しているヒスイ勾玉を象嵌したカンザシは、物凄く使いやすいという京都の職人さんが作ったカンザシをベースにしており、残念ながらその職人さんは高齢で仕事を止めてしまい、同じ寸法・形状で作って欲しいと頼まれたのが最初。
奇しくも私もお世話になっている方に還暦祝いを贈る予定だったので、還暦祝いらしいラッピングを工夫。
竹から産まれたかぐや姫をイメージしてみたが、天岩戸開きと同じく再生と死を象徴しているような・・・。
還暦祝いです!と、贈られた方が渡された竹筒から意外な物が出て来て「うわぁ~!」と驚く顔を想像しながら作った愉しい仕事。
残念ながら諸般の事情から引き取りが一月以上遅れてしまい青竹が色褪せてしまったが、極上ヒスイを琅玕 (ろうかん)と呼ぶのは、青竹のような鮮やかな緑、またはそのような貴石という意味の中国語に由来するらしい。
緑色は若々しく旺盛な生命力の象徴、英語で新人をグリーンボーイと言ったりもする。
縄文人もそんな想いをヒスイに感じて尊んだのかも知れない。
投稿者プロフィール

-
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
最新の投稿
災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)2025年10月20日「自分にできること」・・・能登半島地震ボランティア
糸魚川自慢2025年10月19日大人になった気分デス・・・充電式ブロアーと「あさひ楼」のラーメン
ぬなかわヒスイ工房・ヒスイ2025年10月17日現代の勾玉のつくられ方・・・時代おくれのヒスイ職人の独り言
糸魚川自慢2025年10月13日縄文キッズ養成講座「丸木舟体験会」・・・糸魚川の浜言葉でオモテナシ