愛すべき人々のお国自慢・・・笹山じょうもん市
笹山じょうもん市は、地元愛溢れる人々の熱意と手作り感が大変に好ましかった。
昨年、お世話になった関東アイヌ協会の浦川エカシも司祭として招待されていて、竪穴住居の焚火を囲んでじっくり話が聞けた。
来場者に振る舞うヤマメの姿焼きのバックで、縄文女子が夢見る図・・・お遊びでモデルになってくれたのは新潟出身のタレント「総長」こと西脇理恵さん。彼女は素晴らしい女性で、表舞台では「古町の鬼と異名をとった元レディース総長」として親分肌を見せているが、普段は礼節をわきまえた常識人で言葉遣いも丁寧。地味な裏方を誠実にこなしつつ、酔っぱらった老人たちの話しを相槌を付きながら静かに聞いていた。
近くで観ないと素材不明ながら、上手にベニア板を曲げて本体を作り、藁縄を張り付けた火焔型土器!
神輿渡御の際、バカになりきって祭りを盛り上げる大人たちに続く幼稚園児たちの行列を観た時、胸が熱くなった。
欲得なく本気で遊ぶ大人の後ろ姿を子供に見せる、町興し活動の見本。
応援したくなる縄文キッズ・・・次世代の担い手が自然に育っているのだろう。
考古学的な縄文ウンヌンは横に置いて、縄文ソバに縄文パン、縄文輪投げ、縄文太鼓、縄文ダンスと何でも縄文に関連つける強引さも、ここまでやれば潔くて楽しい。
稲わらで作った縄の輪っかというだけで縄文輪投げ( ´艸`)・・・担当者が「ウオー!入った!」「あ~残念!、もう1回!」と大声で盛り上げて、その人間臭さと来場者を愉しませたいという姿勢にウルウルした。こんな素朴でいいのだと教えてくれた愛すべき人々。
正直いって考古学的な視点からは首を傾げた部分もあったが、五千年前からのご先祖様と一緒に遊んで楽しませたいたいという空気を感じて、無自覚ながらも祖霊崇拝が根底に流れているように思う。
行政や商工会議所、青年会議所、観光協会が絡むと観光客誘致という色合いが濃厚になり、人寄せパンダとして著名人を呼ぶからお金がかかったり、組織も硬直化して内実が希薄になっていくという実態を目の当りにしているが、ここの人々に聞いてみたらまったく同感ということで独自開催路線を保っているそう。
以前から半端ない充実度に驚嘆していた十日町市立博物館だが、官民そろった本気のお国自慢振りは羨ましい。
要するに民度が高い地域ということだろう。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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