仕事はあっても原石がない・・・糸魚川ヒスイの現実
久しぶりに原石屋さんに寄ったら、かっては展示棚いっぱいに山積みになっていた原石が、平積みでも棚の面が見えるほど品薄になっており暗澹たる思い。
糸魚川ヒスイが国石認定されて以降、覚悟はしていたものの、原石の流通量が確実に減っているのだ。
投機対象として売り渋り?一部業者の買い占め独占?
それとも・・・枯渇???
糸魚川ヒスイを投機対象に推す富裕層向けのサイトまであるようだ。
ヒスイ加工を初めて8年、宣伝広告費ゼロでも注文が絶えなくなったし、博物館から遺物の複製品製作も依頼された。
来週には日本経済新聞の取材、来月はNHKも取材に来るし、フォッサマグナミュージアムで講演もさせて貰えるようになり、「ヒトとヒスイの物語」路線の情報発信は世に受け入れられつつあるとは思う。
ところが注文されても原石が無い。
写真の注文ピアスは、納得のいくまで製作して1週間かかった。
こんなヒスイを加工できるのは保有する在庫限りか?
真摯に取り組んでいれば何とか道は拓けるのだろうか?
いつか出雲の碧玉、甲府の水晶のように、「かって糸魚川ヒスイが盛んに売買され時代があった」と過去形で語られる時代が来るのかも知れない。
希少鉱物ヒスイの金銭的価値だけが評価されては堪らない。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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