贈与と返礼による疑似親戚関係・・・縄文のヒスイ交易を想う
去年の北海道旅行で知遇を得た、知床の「えぞ鹿工房カルペ」の斎藤さんから見事な鹿角彫刻が届いた。
北海道中のお土産屋さんに鹿角アクセサリーを卸している斎藤さんは、「作りたいモノ」を作る時間がないほど多忙とのことだが、ヒスイ職人の仕事にも興味津々で意気投合して話し込んだ。
珍しい職業のヒスイ職人であることで、様々な分野の人と懇意になれるから有難い。
山形県埋蔵文化財センターの時は、話しかけてきた学芸員さんが私がヒスイ職人であると解ると表情を変えて収蔵庫に案内してくれて、出土品の目視鑑定方法や現代のヒスイ加工の実際を聞かれて、2時間くらい話し込んだ。
これほどの彫刻をリューター(電動工具の一種)だけでサッと削って作ったらしいが、お見事の一言!
大量にお土産に持たせてくれた鹿角で、創作のヒントになればと笛を作って送ったら、その返礼の意味らしい・・・律儀なお人。
齊藤さんが手に持っているのは鹿角製の勾玉!
縄文時代のヒスイ交易は「大盤振る舞い」であり、その実態は贈与と返礼による疑似的な親族関係の構築とする学説があるが、今もそれは残っていますな。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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