宮沢賢治が泣いて喜ぶ金華石・・・金華石石笛
鉱物に宇宙の神秘を観た宮沢賢治が観たら歓喜するに違いないのが、糸魚川産の金華石。
原石は茶色い地味な姿だが、中身は泥岩と石英の海に黄鉄鉱と瑪瑙の華が浮かび上がるアバンギャルドさ。
表面の窓の中に、瑪瑙の葡萄状結晶が覗く趣向を凝らしてみたが、どうですか宮沢さん!
ヒスイは複数の鉱物が集まった多結晶鉱物だが、金華石は更に極端に物理特性の違う鉱物の集まりだから、石笛の音質も重層的な響き。
プロの演奏家も同じ意見で、その倍音特性は豊潤で馥郁たる「倍音キング」の異名を持つ(ヤマダ談)
堅さの違う鉱物の集まりだからルースのような平面的なモノなら誤魔化せても、立体造形だと形が歪になったり表面が平滑ではなかったりと、モロに技術が露呈する勉強になる石。
加工すると硫化水素の匂い(いわゆる硫黄質の温泉の匂い)が漂い温泉気分が味わえるので、注文仕事に疲れたら箸休め的に遊ばせてもらう。
旅に出たくても出れないので、工房に籠ってしばしの宇宙旅行のつもり。
それがゲイジュツというものなのでR!と自分を納得させる(笑)
投稿者プロフィール

-
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
最新の投稿
災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)2025年10月20日「自分にできること」・・・能登半島地震ボランティア
糸魚川自慢2025年10月19日大人になった気分デス・・・充電式ブロアーと「あさひ楼」のラーメン
ぬなかわヒスイ工房・ヒスイ2025年10月17日現代の勾玉のつくられ方・・・時代おくれのヒスイ職人の独り言
糸魚川自慢2025年10月13日縄文キッズ養成講座「丸木舟体験会」・・・糸魚川の浜言葉でオモテナシ