文化は潤い、チカラ・・・相撲協会の存在意義
ドスコイ応援団・・・相撲協会公式ホームページに載っている東日本大震災の被災地慰問をした時の写真。

人社(ひとやしろ)たる横綱が四股を踏み大地を鎮め、被災者は横綱の足が大地に接する間際に、ごく自然に「よいしょ~!」と声を掛ける。
誰かが音頭をとった「よいしょ!」の唱和ではなく、自然に出る掛け声という所がいい。

炊き出しのちゃんこ料理が体を温め、ご当地出身の呼出さんや力士が相撲甚句を朗々と歌う。

鬢付け油の匂い、丁髷、浴衣姿の力士たちの存在は、相撲を知らない子供でさえもどこか懐かしいと感じただろう。
日常を奪われた時、「懐かしさ」が心の乾きに潤いを与える。
昨今は文化と文明を混同する人が多く、糸魚川ではついに「世界初のヒスイ文明」とまで公言する団体まで出てきたが、ヒスイ文明など存在しない。
理屈抜きで潤いやチカラを与える「懐かしさ」こそが文化なるものの本質。

「よいしょ~!」と声を掛けた被災者に、少しでも生きる力が沸いてくれたらと、この時のことを思い出すと切ない。
相撲協会の存在意義は、興行団体である以前に文化保存・継承団体なのですね。
こんな時だからこそ相撲はいい。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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