「この空の花 長岡花火物語り」・・・まだ戦争には間に合いますか?

大林宣彦監督が長岡の花火を観た時、「ゆっくっり開き、しんなりと散っていく白菊」に自然と涙がこぼれ、案内の長岡市長に「長岡の花火に心がありますか?」と聞くと、市長は「わかりますか?」と、この花火は観光イベントではなく、長岡空襲の戦没者の慰霊と焦土となった長岡の復興のために始まったのですと物語り、映画化プロジェクトが始まった。
最晩年の大林監督が渾身の力を注いて作った「この空の花・・・長岡花火物語り」は、戦争・原爆・震災の記憶を織り交ぜながら「まだ戦争には間に合いますか?」と問いかけ、「戦争を知る最後の世代の責任」として後世に語り継ぐ荘厳な反戦童話。
 
「みなさん私が観えますか?・・・飛行機からは、わたしたちが観えなぁすけ、戦争になったんらぁて・・・」富司純子さん演じる、空襲で子供を失い語り部をする老婆の長岡弁が切ない。
 
監督得意のカットバックと棒読み口調を多用し、幽明境が混沌とした登場人物たちが幻想的な映像を織りなし、繰り返し「まだ戦争には間に合いますか?」と物語る。
 
長岡の花火をご覧になる前に、この花火の哀しい物語を知って欲しい。
 
全ての日本国民、世界中の人に観て欲しい映画。
 
今、この時期だからこそ観て欲しい。
 
理想的平和主義と笑わば笑え。そこが原点、スタートなのだから。

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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