蝉形含玉か?蝉形ペンダントか?・・・不思議な出土品
長者ケ原考古館に訪れたら注目して欲しいのが、蝉のような形をした滑石製の垂れ飾り。
長者ケ原遺跡からの出土品ではなく、縄文中期~晩期の未発掘の遺跡から一般人が地面で拾って寄付されたようだ。

能登の真脇遺跡の「人形ペンダント」・・・似ていませんか?

糸魚川の方が丁寧で緻密なお仕事!
もしや古代中国の蝉形含玉(セミガタガンギョク)の影響では?と想像をめぐらして愉しむ。
映画「ラストエンペラー」の冒頭で、西大后が亡くなった直後に黒い真珠を口に入れる場面があり、これが死者の魂が抜け出ないための含玉という風習だそうで、特に前漢時代には、土中に何年もあっても地上に出てくる蝉に魂の再生の願いを託した蝉形であったようだ。

目に相当する部分が貫通孔になっているので、含玉ではなくペンダントであった可能性が高い。
また糸魚川、能登ともに遺構からの出土ではないらしく、出土時期の推測は縄文中期~晩期と振り幅があるようで、直近にしても3,000年前。
ところが前漢時代は2,000年少し前くらいなので、時代が合わないのが問題だ(笑)
それでもガイドする時、そういった物語りを説明すると印象に残って楽しんでもらえている。
出土品をガラスケースの中で完結させるのはモッタイない。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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