民具をつくった人々の物語・・・「手仕事百態」
古民具販売に関わる友人が何人か出てきて、価値がわからず値段が付けられないとか、骨董品と民具の違いがわからないと聞く。
おすすめの民具図鑑を教えてくれというので、いくつかピックアップ。

「手仕事百態」は手仕事をする老人たちの写真集で、基礎知識として必須だろう。

もう二度と作ることができない、根気のいる仕事で産み出された民具の数々と、仕事に人生を捧げた人々の記録。写真は「手仕事百態」で紹介されている苧積み(オウミ)をする女性。まるで生糸を吐き出すカイコのようだ。

例えば新潟の旧家から出てきた麻の着物なら「越後上布」であるやも知れず、価値がわからないまま二束三文で売られたりでもしたら、作った方たちに申し訳がたたない。

真冬に暖房のない部屋で一冬かかって苧麻を苧積みし、糸に紡がれ、いざり機で織られた上布の最上級品であり、重要無形文化財、ユネスコ世界文化遺産でもある。

どんな人が、どのように作っていたのか知ると、モノは粗末にできなくなる。
ヒトと道具の物語。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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