ヒスイ製ご神鏡・・・万葉の昔とかわらないヒスイへの想い
神棚にまつる神鏡をヒスイで作って欲しいという依頼がたまにあり、毎回デザインは違うのだが今回は丸くしてみた。

台も神鏡とのバランスをみながら、透過光で神秘感を演出して自作。

ヒスイは呪術につかう祭器だったのか?お守りだったのか?とよく聞かれるが、出土状況からみて特別な人が特別な時にのみ使う威信材であったらしい。

ただ中世のイギリスやフランスの王侯の治療儀礼「ロイヤルタッチ」に類似した行為などは、時にはあったかも知れない。
いずれにしても万葉歌人が「求めて得し玉かも・・・」と詠んだ昔と変わらず、注文主がヒスイに神秘的な何かを感じ、祭器やお守りとしてと注文するところが面白い。

ルース程度のサイズなら鏡面仕上げは難しくはないが、表面積が増えるほどに摩擦抵抗が増えていくので、普段通りの乾式研磨だと駄目なので、最善手を模索し続けている。

現時点で精一杯の仕事はしたが、注文主から「なんかスゴイです!」とメールがきて、期待には応えられたようだ。
しかし表面だけ鏡面仕上げにして、裏面は艶消し仕上げにした方がよかったか?表面を凸面形状にしたらどうだったか?と、満ち足りてはおらず、気持ちは次に向かっている。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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