勾玉を通して過去の自分と対話する・・・後輩と先輩ふたつ我にあり
超小型の勾玉を作り始めた頃に沢山買ってくれた方が個展に来てくれて、父親の遺品のメノウ原石でなにか作ってほしいと頼まれた。
初期の超小型の勾玉は今みるとカタチと研磨に迷いが看てとれ、恥ずかしいので作り直しはサービスとして、古代風の勾玉首飾りとメノウ原石の荒れた表面を活かしたペンダントを作った。
過去の超小型の勾玉は白ヒスイだったのだが、研磨し直したら淡い浅黄色がほんわりと浮き出てきて、あの当時はこれを目指していたんだよねぇ・・・と過去の自分と対話。当時の自分が現在の勾玉をみたら師匠と呼んでいただろうなぁ。
だから10年後には現在の勾玉をみて「一生懸命さは感じるけど、まだ青いナ」とおもうに違いない( ´艸`)
勾玉とはなんぞや?という質問に不易流行理論で説明してはいるが、後輩と先輩が同時に存在する自分自身が不易流行でしたネ。しかし後輩は先輩の言葉を聞けないのが人生ですな。
デリケートな石英系の石材は、ヒスイでは目立たない研磨傷や研磨ムラが如実になるので勾玉つくりの勉強に最適。

また楕円形のペンダントトップや丸玉のアウトラインは中学で習う関数で数値化できるだろうが、変化しつづける放物線だけで構成された勾玉となるとそうはいかず、ほんとうはとても難しい立体造形。

本来のメノウ表面はがさがさ・・・

研磨するとこんなに違うのですわ。
勉強させていただいております。個展の注文品の発送はすべて終了。
今日から「令和の大首飾り大改修プロジェクト」始動だ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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