縄文文字はギャートルズ文字だった!・・・歴史探偵ごっこ
謎の古代文字「カタカムナ」なるものを縄文文字と教えている人に、文字が書かれた縄文時代の出土品があるの?と質問したら、いやいや5万年前の壁画に描かれていますと言われ、フハッ~!と化した。(フハッ~!は、水木しげる漫画で多用される感嘆符ですネ。)
5万年前だと縄文時代より3万年以上も前で、アニメ「はじめ人間ギャートルズ」の旧石器時代だから、ギャートルズ文字ということにならんか?
それに、たとえ遺跡の壁画に文字が書かれていても、遺跡と同時代に書かれた文字と限らず、また顔料に炭化物が混入していないと年代測定はできないし、線刻なら年代測定は不可能なのだが・・・。

しかしながら私は旧石器時代のことに詳しくないので、正月に「旧石器時代ガイドブック」で勉強したら、現時点で日本列島の旧石器時代の遺跡は、4万年前までしか遡れないとありますぞ!著者の堤先生は「浅間縄文ミュージアム」の館長さんで、いちどだけお逢いしたことがある。
この本は図版も多く、小学生にも理解しやすく書かれているので、今はお袋が「この本、面白いねぇ!」と読んでいる。
この時代の私の関心は、3万6千年前から作られていた「局部磨製石斧」が、3万年前くらいからの姶良カルデラの火山灰の降灰期を境に途絶え、縄文時代の磨製石斧に連続していないこと。
かって「野尻湖ナウマン象博物館」の中村館長(当時)から、野尻湖の旧石器時代の局部磨製石斧は、白馬や小谷あたりで採取したらしき姫川水系の透閃石岩で作られていると教わったが、その採取ルートや断絶から縄文時代の磨製石斧が登場するまでの関係性はわかっていないらしい。
ヒスイ加工にも断絶期があるし、加工法や交易方法とそのルートも謎だらけ。
疑問を調べるほどに謎は深まり、「可能性がある」「かもしれません」と、言葉遣いが慎重になっていくが、アマチュアといえどもガイドや講演をするなら、「自分の考えはこうだけど、考古学ではこう言われている」くらいの情報を伝えるのが誠意だろう。そうでないと教えられた人が恥ずかしい思いをすることになる。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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