戦争を芸能人ゴシップのように消費する社会・・・体験者の訴えを聴く

各地の戦争で尊い人命が失われ続けるなかで、各国のプロパガンダ合戦や、戦争を知らない世代が茶飲み話のような憶測をSNSに流す風潮を、戦禍のただなかにいる人々や、先輩方はどう感じるだろうか。

先輩方とは、ご先祖が新潟に由来する著名な戦争体験者たち。

11歳の時にハルピンでソ連兵から撃たれ、母親を辱められた宝田明さんは、初主演作の「ゴジラ」の試写会の時、水爆実験で海底の眠りから覚めたゴジラが白骨化していく場面で号泣した。
陸軍上等兵として航空隊の偵察要員と新兵教育係をしていた三船敏郎さんは、紅顔の少年航空兵たちが特攻する前夜、「これがお前たちにしてやれる精一杯のことだ。遠慮せずいっぱい食え!」と泣きながらスキ焼を食わせた。
三波春夫さんはシベリア抑留生活中に、飢餓と過労で疲弊する仲間たちに、浪曲を歌うことで生きる希望を与えた。
東京大空襲を生き延びた「歴史探偵」の半藤一利さんは、打上げ花火の音が聞こえるだけで機嫌が悪くなった。
 
戦争は終結しても、戦争体験者の中で戦争は終わっていない。
 
史実と歴史観は同じではないのだが、SNSをみる限り明らかな史実誤認や、バイアスのかかった歴史観を史実と錯覚して、「これが真実!」と投稿している人が多いように思う。あたかも戦争を芸能人ゴシップのように「消費」しているかのようだ。
 
戦争体験を語るYouTube動画や書籍はたくさんあるので、その気になりさえすれば戦争のリアルを経験者に教えてもらうことはできる。
 
 
 

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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