極上のピンクヒスイとの出逢い・・・原石を使い切った達成感
ピンクヒスイは砂糖菓子のようなざらついた質感というのは思い込みだった。

同業者から小形勾玉を作って欲しいと託された小石ほどの原石は、ストロベリーアイスのような濃いピンクで、これほどの色艶の原石は滅多に出逢えるものでなく、緊張しっぱなし。

加工条件は1個作ってもらえれば、あとは好きに使ってよいとのことだったので、慎重に石目を読み5段階に分けてカットして3個分のプレートができた。柔らかい石なので高目の番手で根気よく平滑に研磨していったら、ピンクヒスイでは初めてつるつるの鏡面仕上げができて感激。

古代風の縦向き飾りでチョーカーに仕立ててみた。現在の主流は逆C字に見える向きを表にする飾り方だが、古墳時代のように縦向き飾りにした方がスッキリしてわたし好みだし、この魅力を同業者を通じて多くの人に知って欲しいとの思いがある。

全部で3個できたが、残った端材は砂利ほどの大きさもない小粒だけというくらい使い切った。綺麗に仕上げることができた上に無駄を出さなかったという達成感も得難い。
いちばん綺麗な勾玉は依頼者へ。他の黒い模様がはいった勾玉2個は自分用に。色が薄目で均一さはなく、ザラツキ感はあるけれども味があって好きだし、好きになれるように作るのが仕事に対する誠意。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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