危うしヌナカワ丸・・・船底がダンゴ虫の巣に
ながらく横倒しのまま放置されていた丸木舟を起こして養生をはがしたら、船台ごと部分的に船底が腐ってダンゴ虫とナメクジの巣になっていた。ジメジメした環境の屋外保管だから無理もない。

横倒しから独力で起こすだけのつもりが・・・船底が妙に柔らかい!?

船尾近くの船台が腐って丸木舟まで達していた。

慌てず騒がずに即座に対策を考えるのがワタシ
船底は厚いので腐った部分を四角く削って、ケヤキ板をエポキシ接着か?伐採した時から小口割れしていた船首のヒビ割れも進行しているが、こちらはワイヤー締め箇所を増やすか?

船尾はステンレスワイヤーをターンバックルで何か所も締めてあるのでヒビは進行していなかった・・・最初からこの状態!
昨夜は対策方法に頭を悩ませると共に今後の行く末を思うと、一睡もできなかった。
伐採から今日まで、どれだけ労力と金を投入し続けたろう?
乗船体験で天然素材100%の「原始力船」に喜んでもらえるのは嬉しい。しかしそのために掛けた労力を想像したり、縄文の「海のヒスイロード」まで想いを馳せてくれる人はおらず、面白かった!とSNSの写真ネタに貢献しただけで一件落着。そしてまた苦労の無限ループが始まることに・・・疲れてきた。

ターンバックル締めが一か所だけの船首のひび割れが進行。もとより入手した丸太が曲がりくねっていて、波が侵入しないように船縁ラインを反り上げた船型を作るには細すぎたので、本来は水分が多くて組織も粗いので捨ててしまう白太部分も使っているので無理はないことなのだ。
心の弾力はまだ、若干は残っている。が、人に迷惑をかけたくないので「終わらせ方」を考えはじめて久しい。
幸いなことにN造船さんの自宅裏が保管場所なので、今朝は対策の相談に乗ってもらえることになった。
壊れていたアウトリガーの部材も、レジェンドサーファーにして名人大工のノブ兄貴がヒノキで作り直してくれることになった。
まだ終わっちゃいない。まだ頑張れる。もう少しだけ・・・。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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