音が神を連れてくるから「訪れる」説・・・「奴奈川姫と日本一の大ウス祭り」
「奴奈川姫と日本一の大ウス祭り」のヌナカワ姫コスプレコンテストに勇んで応募した友人2名だが、古代風首飾り・三環鈴・銅鐸を持参した本気さに事務局が恐れをなしたのか、行列要員にまわされた模様・・・本当は他に申込がなかったのだそうだw

しかも「気分はヌナカワ姫様
」の友人たちに貸与された衣装は、美豆良(みずら・上古の男性の髪形)を模したカツラと男性用衣装ではないか!お似合いですけどぉ・・・便所の前にて撮影( ´艸`)


ヌナカワ姫コスプレのつもりで用意した古代風首飾り「ぬなかわ姫」・・・主役より目立ってはいけないw

親し気に古代人から声をかけられたら、昵懇をいただいているKさんだった。美豆良のカツラは、黒いカチューシャの端っこに毛糸を巻いた髷をつけてあり、100均で揃う素材ばかりのグッドジョブだ。

祭りのはじめに神主の祝詞奏上と玉串奉納の儀が厳かに執り行われる本格的な幕開けで、歌劇の様式で式次第が進行。

糸魚川に芸達者な人がいることや、準備に一年かけたという関係者の本気に驚ろく。

翠の羽根をつけたヒスイの精を先頭に、友人が三環鈴と銅鐸を鳴らしながらヌナカワ姫一行の入場。
「訪れる」とは「音が神を連れてくる」を原義とする説があるから、友人たちはヌナカワ姫命の入場に相応しい重要な役割を与えられたことになるし、ちゃんとアナウンスもしてくれた。
糸魚川の「けんか祭り」の行列では、口をパカパカ打ち鳴らす獅子(地元では浄魔と書いてジョウバと呼ぶ)が破邪を担って先駆けして、次いで錫杖を打ち鳴らす露払いが神の到来を告げてあるくのだから、日本の祭りで音と神はセットが伝統。

奈良の天河弁財天の三環鈴をモデルにした複製。作者は勾玉の注文をいただいた考古学者。
もっとも三環鈴は古墳時代中期の遺物だし、新潟県内からの銅鐸の出土もないのでヌナカワ姫は知る由もなかったであろうが、おそらく日本での銅鐸の役割は、稲作の予祝儀礼でつかわれた祭器とおもわれまするぞよ。

ぬなかわヒスイ工房の銅鐸は舌(ゼツ)がヒスイ勾玉の特製。
そしてヌナカワ姫の母神の名は黒姫で、ヌナカワ姫が黒姫を襲名していたような口碑がある。黒姫の黒とは色にあらず、古語で田の畔(アゼ)をあらわすクロではなかったか?これが山田説。
すなわち黒姫ならびにヌナカワ姫は、豊年豊作を祈る巫女であったのである・・・かも知れないようw
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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