全壊認定と公費解体の実際・・・被災者になった時のために覚えておいてほしいこと
被災者になった時のために覚えておいてほしいこと。
今回は全壊認定と公費解体について。

全壊認定をうけると全額を公費で解体してもらえるが、屋内の家財道具は自力で出す?家財道具ごと解体してもらえる?と諸説あり、真偽を確かめるために被災者に付き添いを頼まれて行政窓口に出向いて説明をうけた。(写真は能登島のSさん宅)
行政の回答は、公費解体とは家財道具を自主搬出して空っぽになった状態の家屋解体。
Qボランティアセンターが危険すぎると断るような傾いた家から、家財道具が出せると思いますか?
Aその場合は解体前に業者が家財道具の別途処分費を見積ります。
Q全てを失い、経済的にも精神的にも追い詰められた被災者が、別途費用がいくらかわからない状態で公費解体の書類を安心して出すとおもいますか?みんな不安で進めないのですよ。阪神淡路や東日本大震災の事例はどうなのですか?
Aデータベースがないのでわかりません・・・奥に引っ込んで書類を調べてから・・・危険な場合は市で追加分を負担できるようです。

写真を見せながら1時間ちかくねばり、別途追加費用なしの言質をとった。(写真は珠洲市のSさん宅)
Qそれなら何で最初から全壊認定なら家財道具はそのままでヨシと公告しないのか?
Aそんなことしたら我も我もと自主搬出しなくなるじゃないですか・・・。
傾いて危険だからこその全壊認定ではないのか???役所の考えることはわからん。

この状態で家財道具をどうやって出せというのか?(写真は珠洲市の某神社)
公費解体の難題はさらにつづく
公費解体を申請するために、被災者みずから印鑑証明やら法務局で登記簿謄本のコピーをもらうなど諸々の書類を揃えなけばならず、仕事をしている現役世代、車をもたない高齢者にはハードル高すぎ。
激甚災害に平時の行政手続きを求めるのはいかがなものか?だいいち印鑑証明などいらんだろ(# ゚Д゚)
全盛期の田中角栄に陳情したなら、ヨッシャヨッシャとその場で官僚に電話をかけて、「激甚災害特例法」とでもいうような議員立法にとりかかってくれるに違いない。金権政治家だろうが、やることやってくれたら俺は評価する。

市町村レベルの行政機関も被災してる訳だから予備自衛官の制度のように、各地から行政OBや法務局OBを招集して、被災者が必要な行政手続きを代行してもらえる法整備をして欲しい。
その前に行政OBが事務手続きボランティアに志願して欲しいと、被災地でよく聞く声。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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