能登に行ったら「ふくべ鍛冶」で包丁を買おう!・・・輪島漆器販売義援金プロジェクト
珠洲にむかう途中、能登町宇出津に「お主やるな!」という雰囲気を漂わした「ふくべ鍛冶」という金物屋があり、昼飯休憩がてらに寄ってみた。

4代つづく鍛冶屋の店舗らしく、店内には他の地域では見られない多種多様な刃物がズラリと展示されていて、能登の生活文化の多様性に感嘆する。

社長夫人が相手をしてくれ、海女の「アワビおこし」を見せてくれたので、輪島に早瀬さんという海女の友達がいると言ったら「ちーちゃんですか?!このアワビおこしはちーちゃんから何度もダメ出しをもらいながら改良していったんです!」と、お互いに大笑い。

上2点が牛の爪切り。グラインダーで切ると、しばらくは乳の出が悪くなるのだそうだ。

先端が丸い能登鍬は、固くなった粘性土に有効とのこと。
他の地域では絶対に売ってないであろう牛の爪切り鉈、先端が丸い能登鍬、畔に枝豆を植える小形鍬、そして出ましたマキリ!

マキリとはアイヌ語の片刃の小刀のことで、日本海沿岸から北海道の漁師が愛用している。
多くは三条産の鋼材を切り抜いた量産品の薄目のマキリが流通しているが、イカを裂いたりロープを切ったりする漁師用。
でも能登では見るからに使えそうな厚めの鍛造品で、一般家庭でオールラウンド刃物として愛用されているのだそうだ。能登町では刺身包丁も出刃包丁も使わず、マキリ一本で鯛をさばいて刺身までつくるのだそうだから、本来のマキリの使い方が残っていることになる。
伝統を重んじながらお客さんの要望を組入れた商品開発もしているから、両刃マキリも販売予定とのこと。
刃物を売ることが目的ではない!「地域の困ったを良かったに変えたい」が企業理念・・・だ~いすき!

三条産の薄いマキリはもっているので工作用小刀を購入したが、やっぱ鍛造品の片刃マキリが欲しくなったので、次回はサバイバル用に両刃の5寸マキリを特注するけんね。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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