輪島市門前町が石器つくりの聖地になるかも!・・・能登ジオツーリズムの可能性
輪島市門前町の海岸は、能登の中でとりわけジオツーリズムに適した地域であるように思う。
琴ケ浜は地名がしめす通り、花崗岩が崩れた石英砂の浜で、歩くとキュッキュッと音がする「泣き砂」の名所だ。

浜の西にある崩落した柱状節理の岩塊は、フォッサマグナミュージアムの香取学芸員から1,000万年ほど前の中新世の溶岩ドームであると聞いたが、そんな恐ろし気なものが身近にあるとを知る地元民はいないのではないか?

岩塊の断口面を観察すると、石槍や矢じりなどの打製石器に多用されてきた無斑晶質安山岩のようだ。

琴ケ浜を流れる小川には大量の砂鉄も流れているので、上流部に大きな花崗岩の岩山があるに違いない。
椰子の実の欠片もおちていて、地形好き・考古学好き・民俗学好きには興味がつきない浜。複雑に入り組んだ沿岸には海浸洞もあるから、シーカヤックで岬めぐりをしても面白そうだ。
震災でなにもかもが変わってしまったが、考え様では奇岩名勝地の初期段階を目の当たりにしている訳で、アウトドア遊びと組合わせたジオツーリズムで観光客を誘致できる可能性は大いにある。
無尽蔵にある無斑晶質安山岩をつかい、旧石器時代の研究者を講師に打製石器つくり体験会なんてのもありで、まずはヒスイ職人らしく拾った無斑晶質安山岩で勾玉をつくって地元の人にこの石の秘めた可能性を知ってもらう。
次回は素潜りセットを持参して、1mちかく隆起した海中も観察してみる。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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