クマとサルナシとヒスイの関係について考える・・・長者ヶ原遺跡ガイド
一騎当千のメンバーばかりの自然観察会を長者ヶ原遺跡ガイドしたら、サルナシの花と、触るとカブレるツタウルシを見つけた会員がいて、わたしは大発見の連続にコーフン。

サルナシが海から4キロ・標高90m地点に自生していたとは驚きで、結実まで定点観測することにした。荒されてはかなわないので自生場所は教えないけどw
美味いサルナシはニホンザルやクマも大好物だし、地形的にクマが出てもおかしくないとの見解なので、これまで目撃例はなくても、温暖化で生態系がかわってきていることもあり、今後のガイドは要注意だ。

ツルウルシの葉っぱ

子どもをガイドするとツタを引っ張りたがるから、ツタウルシは要注意ですな
長者ヶ原遺跡にヒトが住みはじめた縄文前期は温暖化でサルナシは自生してなかっただろうが、ヒスイ加工を開始した中期中葉以降は寒冷期なので自生したいた可能性があり、樹皮で編んだポシェットやカゴにヒスイをいれて運んでいたかも知れない。
クマは大量にサルナシを食い、ジャムそっくりという糞の中の種子をばらまいて自生域をひろげ、ヒトに恩恵をもたらす役割も担っている。
ヒトはクマを畏れつつ共存共栄していたのが縄文文化。

湿気のあるところではムカデもいる。体験学習棟の炊事場に8匹もいたので行政に連絡して駆除してもらったが、翌日に確認したら生き残りが2匹いた。
ヒトがクマを食い、クマもヒトを食ったであろう、絶対的公平な世界。
ヒトもクマも生態系の連鎖の中では平等なのだと、サルナシの発見はいろんなことを示唆してくれた。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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