過信してはいけないクマ除けスプレイ・・・最上のクマ対策は「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
クマ除けスプレイを過信してはダメで、お守りとして考えた方がいいと友人のSNSにコメントしたら、食いついてきた人がいた。
わたしがそう思うのは、出会い頭で襲われた際に、有効射程距離の5m前後まで引き寄せ、クマの顔をめがけて噴射する冷静さがある人がどれだけいるだろうか?と考えているからだ。

こちらはモンベルが売っている強力なアメリカ製のクマ除けスプレイの広告写真。値段は1万円代で有効期限は4年だ。
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1899176
向かい風だと有効射程距離はもっと短くなるし、自分も浴びてしまうリスクだったある。例え噴射できても突進してくるクマもいるそうで、過去の事例の成功率は90%であって100%ではないことも覚えておいてほしい。
また人間は弱いと学習したクマなら、後ろから襲ってくるものであるらしいことは、大正時代に7人の犠牲者をだした「三毛別羆事件」からも明らかで、囲炉裏ばたに座った状態で側頭部と喉に親指大の穴があけられて亡くなっていた子供がいるそうだ。
クマが家に侵入したことに気付かないうちに、後ろから鋭い爪の一撃で即死したらしいが、後ろから忍び寄られては、クマ除けスプレイも用をなさないということ。
槍を持って歩くことを推奨する意見もあるようだが、猟師が止めをさす時や、鉄砲が不発した時の最後の手段であって、素人が扱えるものではないだろう。
居合術の極意に「抜かば斬れ 抜かずば斬るなこの刀 ただ斬ることに大事こそあれ」という教えがある。
クマ除けスプレイも使わずに済むことが最上であり、使うならクマを半狂乱に怒らせる覚悟はいる。
最も重要なのは、クマが出る場所を見抜く見識と習性を学び、五感を最大限につかって気配を察知し、出会わないようにすることが最上策なのですよ。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」と、孫子の兵法もそう教えているではないか。
遺跡ガイドで森にはいる時に、オシャベリしてるとクマ出現の予兆に気付かないので、周囲に気を張り巡らせて粛々と歩いてくださいとお願いしても、参加者が黙っているのは3分くらいでオシャベリに興じてしまうのだけど、クマったもんだネw
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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