真珠湾攻撃で自爆した戦闘機隊長の真相・・・角田和男著「修羅の翼」
真珠湾攻撃で空母「蒼龍」の戦闘機隊長の飯田房太大尉は、ガソリンタンクに被弾して空母への帰還をあきらめ、飛行場に自爆。

飯田大尉は軍神として喧伝され、戦後の映画「トラトラトラ」でも悲劇的に描かれているが・・・。

日中戦争時の部下だった角田和男(終戦時中尉)は、敬愛する飯田大尉の自爆に納得がいかず、戦後に関係者に真偽を問いただして歩いた。角田さんは乙種予科練出身のベテラン戦闘機搭乗員で、特攻の当初から直掩機(護衛)として幾多もの死線をくぐりぬけて終戦を迎えた有名な方。
真珠湾に出撃前の飯田大尉は「アメリカ相手に戦争しては日本は必ず負け、アメリカに占領されて古きよき日本は失われる。俺はそんな日本をみたくないから真珠湾で自爆する。お前たちは生きて還れ」と部下に厳命し、蒼龍司令部から真相の緘口令が敷かれていたことを突き止めたことを、自著「修羅の翼」に書いている。

光人社NF文庫「修羅の翼」は今でも買えるロングセラー。戦記の多くはゴーストライターが書いているが、こちらはご自身で5年かけて書いた掛け値なしの戦記で、特攻の発端から内情までが現場の立場から詳らかに描かれていて史料価値が高い。
飯田大尉は軍人にしては先が見えすぎる人で、連戦連勝で沸き立つ日中戦争の時点で、角田中尉(当時は兵隊だったらしい)に次のことを語っていた。
「こんなことで喜んでいたのでは困るのだ・・・重慶に60キロ爆弾一発落とすには、爆弾の製造費、運搬費、飛行機の燃料、機体の消耗、搭乗員の給与、消耗など諸経費を計算すると約千円かかる。相手は飛行場の爆弾の穴を埋めるのに苦力(クーリー)の労賃は五十銭ですむ。実に二千対一の消耗戦なのだ。こんな戦争を続けていたら、日本は今に大変なことになる・・・」
立証主義的に原価計算をすれば、局地的な戦果は敗北への階段を一段登るだけだと看破していたのである。
石油と航空機用エンジンオイル、鋼材もアメリカから輸入していたのが戦前の日本。
「アジア開放の聖戦」は大義名分であって、実際には満州事変からの戦勢に歯止めがつかず、好戦的な世論に煽られ、長期的な戦略もなく対米英戦の太平洋戦争に突入してしまった、が本当のところ。
高市総理の台湾有事発言も戦前の軍部と同じく、長期的な戦略眼と原価計算のない冒険主義でしかない。
このことを支持者は知るべきですよ。

われわれ21世紀の日本人を見据えているかのような老人は、慰霊祭に参列する最晩年の角田和男元中尉。
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投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。






