東日本大震災の医療現場を学ぶ・・・新潮文庫「救命」

津波で孤立して電源を喪失したなか、医療現場で何がおこっていたのか?

新潮文庫「救命/東日本大震災、医師たちの奮闘」は、激甚災害のシュミレーションとして、多くの人に読んでほしい本。

自らも被災した医療従事者たちは、備蓄食料と水を患者優先にして、不眠不休で救命しつづけた。

命からがら身ひとつで避難した人々は、現金や持病薬、おくすり手帳、保険証もないから、医薬品は病院の持ち出しの完全なボランティアである。

この状態は外部からの支援がはじまる1~2週間は続いたようで、救援に来た医師に現場を任せ、行方不明になっていた家族を遺体安置所で見つけた医師もいた。

本書からの学びは、行政は避難所・病院・救援の連絡網を構築し、要所施設には衛星電話を貸与して、防災訓練に組み入れるべきということだ。

また阪神淡路大震災の時は倒壊家屋から救助された被災者の外傷治療が主体であったのに対し、被災者では津波で犠牲になった方が多く、生き残った人の内科治療が主体であった違いがあり、求められる医療は災害によって一様ではないということ。

それと義援金をどこに託すか?である。

日本医師会は集まった義援金を震災1ヶ月目から無休で働く現地の医師に、月額一律30万円の給料として配分した。

その一方、日本赤十字社は、2011年6月時点で2,523億円もの義援金を集めながら、配布したのは823億円で被災者に届いたのは370億円。

日本医師会に比べてレスポンスが悪いのは、巨大組織の日本赤十字社の運営は官僚的であり、ワンクッションはいるからと、本書では指摘している。

こんな事例があるから、「輪島漆器義援金プロジェクト」は被災者に直接お金を渡す「直接支援」を明確にした。

ついでながら、これまで漆器を売ったり、集まった寄付金で支援物資につかった義援金合計は1,000万円ほど。

もちろん事務経費は無しの100%ボランティアの明朗会計。

しかし顔の見える関係の個人ボランティアなら、お金を渡しても大丈夫と思ってはいけない。

支援金と義援金の違いもわからず、用途や会計が杜撰なボランティアもいるから要注意。

寄付する人も義援金と支援金のちがいを知ってほしい。

①義援金は「被災者に渡るお金」の直接支援

②支援金は「支援者を支援するお金」の間接支援であり、その内訳には支援者の飲食費や給料、事務経費も含まれるのだ。

#激甚災害のシュミレーション #東日本大震災の医療現場 #救命 #東日本大震災の医師たちの奮闘

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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