「海のヒスイロード」…縄文王国青森に到着。
秋田県境の岩場を越えたら、その名の通り青い森の風景が広がって青森県に入った。
感慨無量。
白神山地を右手に見てひたすらシーカヤックを漕ぐ。
深浦の手前で難破船がお出迎え。
東日本大震災とは関係なく、去年の台風で難破した外国船籍の船だそうだ。
子供の頃に好きだったアニメ、未来少年コナンに出てくるような光景。
海の色も濃く、ビー玉越しに海底を見ている感じで感激。
また海辺には、秋田までは無かった流木を集めて薪作りする風景面が頻繁に見られるようになった。
凸凹して太さも違う流木をこんなにも丁寧に積み上げる技術は凄い。
流木を薪するには、最初に少しづつ砂浜に集めて放置して、雨で塩分を抜く作業をしてからのようだ。
浜辺には流木の小山が点在していた。
そうしないと薪ストーブが塩分で痛みが早い事もあるだろうし、乾燥を早める事にもなるのだろう。
流木を乾燥させた後、家の近くの加工場に運び込んで長さを切り揃えて入るようだ。
今時、そんな手間暇を掛けて薪作りする人々を目の当たりにして感動した。
浜辺に点在する流木の山。
それ程の手間暇を掛けて薪作りするのは、お年寄りの仕事。
恐らく、次世代には継承されていかない失われつつある光景。
民俗学者、宮本常一がレポートした、戦前の暮らしが辛うじて残っているのだ。
そして何より感動的なのは、青森の漁師さん達の人懐っこさと優しさ。
休憩に立ち寄った漁港では、どごから来たの?お茶っこ飲んでけ!サザエ食うか?蟹持ってけ!ともてなしてくれるのだ。
沖では、そんなちっこい船で大丈夫かあ~?と声を掛けてくれる。秋田までは無かった事。
サザエの刺し網漁師。
バケツ一杯のサザエを持ってけ!と言われて慌てる。
カニ持ってけ!
漁師さん達が何かをくれる時は、バケツ一杯が単位。
青森の漁師さん達のは、なんて人間臭い人達だろう。
流木の薪作りと同じく、漁師も後継者がいないようだが、あの人間臭い人々が、末永く幸あらんことを切に願う。
深浦、鯵ヶ沢と、縄文時代のヒスイ出土遺跡が続く。
鯵ヶ沢町教育委員会の中田主任学芸員を訪ねた。
見せて頂いた出土品に、どうも糸魚川産の蛇紋岩製らしい磨製石器を見つけた。
鯵ヶ沢でもご先祖に出逢ったのである。
これから竜飛岬を目指す。
最終目的地の青森市の三内丸山遺跡まで、残り150キロ程。
天気さえ恵まれれば、二週間で到着する位置まで来ているのだ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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