石笛の概念を越えるオバケ石笛・・・縄文石笛Neo完成
世間は五月連休といっても日常と変わらず仕事・・・仕事が愉しいんだから人から見たら遊びというべきか。
そんな中ひょんな事から、千葉からヒスイを拾いに来た岡島さんと出会った。
岡島さんは天然のままのヒスイに入った僅かな亀裂を吹いて石笛にするのだという・・・滅多にできる人のいない横吹きである。
共通の知人も多く意気投合して、奴奈川姫終焉の地との伝説のある稚児ケ池と長者ケ原遺跡、そして工房に案内した。
奴奈川姫に興味があるというので、稚児ケ池にご案内。知る人ぞ知る由緒あるパワースポットなのだ。
工房に拉致(笑)して横吹きを披露して貰う。石笛の正面からではなく横から息を吹き込むのが横吹きで、古神道ではこんな吹き方をする流派もある。岡島さんは天然石笛専門らしいが、人工石笛の是非を熱く語り合う。私は石を使って活花のように石笛を作る立場。天然が最高なら栽培作物ではなく野草や天然モノの魚や肉しか身にならないのであり、人為的に作られた米や野菜だって天然モノを凌ぐモノがあるのだと自説を語る。
彼らと別れた後、仕事に戻って数か月構想を練っていた新作石笛に取り組む。
縄文時代後期(四千~三千年前)の青森県上尾駮遺跡出土の縄文石笛の改良である。
すぐに真似する人が出てくるので詳細はここでは書かないけど、なんと2オクターブ近い驚異の広い音域が出た。
左が青森型の縄文石笛レプリカで、右が縄文石笛Neo。線刻は縄文時代の石器にも観られる模様で、装飾の意味だけではなく滑り止めだ。
これまでの石笛のキーは高音域の6度から7度のキーの範囲内だったが、夢の低音域の5度のAが出たし、7度のDという超高音まで簡単に音階変化が付けられるのだ。
倍音もあざとくなく自然だし、不思議な音色が出て音階調整の微調整も出来る・・・これまでの石笛の概念が崩してしまった石笛。
なんだか作ってはいけないモノを世に出した気分。
名付けて縄文石笛Neoの誕生である。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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