モノリス石笛・・・透明な石英に浮かぶ金の華の石

誰も見向きもしない糸魚川産の石材を使い、誰の真似でもない独自路線の作品を作っていると、ヒスイ関係の先輩達が面白がって「これ使ってみたら?」と色んな石材を分けてくれる。

私は活花をするように、石の個性を引き出す仕事が好きなのだ。

今回は金華石を分けて頂いた。

まるで宇宙から落ちてきた隕石のようで、SF映画の傑作「2001年宇宙の旅」に登場するモノリスを連想した。人知れず宇宙のどこかで屹立する禁断のモノリス。そうだ、モノリスをモチーフにした石笛を作ろう!と作った石笛。

観察するとガラスのように透明な石英に泥岩、そして金色の黄鉄鉱が浮かんで非常に綺麗・・・まさしく金の華の石。

金華石は泥岩質に黄鉄鉱、石英、メノウが混じる変成岩で、姫川で拾えるのだけど綺麗な金華石は滅多に拾えず、ヘタなヒスイより稀少だ。

 

金華石はベルトのバックルなどが作られてきた石だが、加工の際に黒い飛沫で周辺が汚れる事と、皮膚に付くとチクチクする事から、頼まれても金華石の加工はゴメンだね、という職人さんが大多数。

でも飛び切り個性的で面白い石だという事が解った。

金華石・・・いいじゃないか。

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です