美術女子、ペンダントを作る
ぬなかわヒスイ工房に取材に来た美術女子、作品作りの実際を体験してもらう事にした。
自分で拾ったネフライトの孔開けと研磨をしてペンダント作り。
リューターでの孔開け作業。
木工なら木の繊維に沿って刃物を当てるが、石には繊維が無い代わりに結晶の流れる方向というものがあるので、まずは結晶の観察。
結晶の流れといっても全部が揃っている訳ではなく、ゴチャゴチャに混ざり合っていることの方が多い。
ダイアモンドやルビー、サファイアのような単結晶の鉱物なら一定の方向性もあるが、ヒスイやネフライトのような複数の鉱物が混じった岩石の結晶の流れは複雑なのだ。
無理のない感じ、流れる感じで優しく撫でるように、そしてピンポイントで研磨していく。
それでも頭を逆撫でされると気持ち悪いように、ヒスイの研磨もメチャクチャに研磨する訳ではなく、研磨機に当てたヒスイが「気持ちいい!ここをもっと研磨して!」と感じられるような研磨の仕方が大事なのだと教えた。
それはヒスイと我が対極関係ではなく、混然一体となった同化感覚の世界なのでR!と大上段に構えて教えたが・・・解ってもらえたかな?(笑)
完成したネフライトペンダント・・・ネフライトも綺麗だが、私と違って細くて傷も節のない美術女子の指に目がいく(笑)
研磨の後はワイヤーワークで、チェーンだろうが革紐だろうが通す事の出来る環を作るのだけど、私は耐食性と耐久性のいいステンレスワイヤーを使っており、こればかりは訓練が必要なので、私が仕上げた。
とても個性的でオンリーワンのネフライトペンダント。
孔を開けて簡単な研磨だけで売れるレベルのペンダントトップが拾える糸魚川、やっぱり面白い土地だ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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