絶滅危惧の手仕事道具・・・鍔ノミ
ドブネ大工と桶職人の道具に共通した絶滅危惧道具が、鍔ノミ(ツバノミ)という下穴を開ける道具。
和釘は四角い断面を持つ太いクサビ型をしており、そのまま木に打ち付けると木が割れてしまうため、鍔ノミを材木に叩き込んで下穴を開けた後に下から鍔を叩いて抜く。
見慣れた西洋釘は鋼材を圧延して作り、頭が腐食してしまうと抜けてしまうが、武骨なクサビ型の釘は鍛冶屋が何度も折り返して作る鍛造品で、頭部が腐食してもクサビが面で効いているので抜けにくく、西洋釘に比べて鋼材的にも構造的にも耐久性は高い・・・しかし高価で面倒だから廃れていった。
この太くて四角い断面を持つ釘は、南インドの伝統的な大型木造帆船の造船所で現役で使われていた船釘だが、頭部が丸く出っ張っている所が和釘と違う。
古い筒石漁港に2隻の木造船が残っているのだが、1隻はこの秋の台風で船底を残して分解していた。
掘立柱建物や和船の構造モデルとして民俗学好きを案内しているが、この漁港も民俗文化財に指定して欲しいもんだ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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