松浦武四郎・・・北海道は北加伊道、アイヌの土地
二百年前の旧暦二月六日、伊勢松坂に産まれた松浦武四郎は、幕末期にアイヌ民族の協力により蝦夷地をくまなく探検踏査した探検家。
幼少より好奇心旺盛にして本草学(今でいうなら博物学)を学び、少年時代には見聞を広めたいと家出までしている。
旅行家であり、数々の紀行文やアイヌ文化に関する著述した著述家、稀代の好事家、そして北海道の名付け親でもある。
明治政府から蝦夷地の地名候補を求められた武四郎案の一つが、北加伊道(ホッカイドウ)であった。
北のカイの道・・・カイは「我らの土地」を意味するアイヌ語。
日本語とアイヌ語を混ぜている所がアイヌ文化へのリスペクトと、当時、和人により収奪の限りを尽くされていたアイヌ民族の復権の想いが籠められている。
北海道の地名の多くが、アイヌ語の漢字表記なのも武四郎の功績の一つ。
現存する唯一の武四郎の肖像写真。首にかけているのは武四郎愛蔵の「大首飾り」で、明治期に蒐集した縄文から古墳時代までの250点近い玉類を一連に繋いだ本人お手製装飾品。ご満悦の表情をしている。
今年は武四郎生誕200周年と、蝦夷地が北海道となってから150周年でもあり、松浦武四郎顕彰の記念行事が予定されている。
すでに新聞報道されたので書いてしまうが、その目玉企画が武四郎の「大首飾り」のレプリカ製作。
まだ詳細は明かせないが、ぬなかわヒスイ工房もその件でご縁を頂いている。
宣伝広告費ゼロの設立五年の零細工房なのに、光栄この上ないこと。
武四郎に呼ばれているようだ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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