縄文人がヒスイを研磨した砥石で刃物を研ぐ
「縄文人が、神秘の霊石、ヒスイの研磨に使ったパワーストーン!困難に打ち勝つ突破力・忍耐力向上に効果あり!」と売る人が出かねないので、学術目的以外の人には詳細は明かせないけど・・・。
糸魚川の縄文~古墳時代の遺跡から出てくるのが、石英粒を多く含んだ特殊な砂岩の砥石で、拙宅からも筋砥石が出土している。
ぬなかわヒスイ工房のすぐ前で、母が表面採取した砥石とヒスイ勾玉は、弥生時代後半から古墳時代の物であるらしい。
かなり希少な石だが、やっと採取できる場所を見つけた!赤系の花崗岩や流紋岩と見分けが付き難く、6個拾ったなかで1個が流紋岩だった。
ヒスイを研磨したら、耐水ペーパー換算で600番くらいの研磨力で光沢も出た。
研ぎ味も悪くなく、試しに工作用の刃物を砥石してみたら、見事に刃が付いて、粗中砥くらいであることが判明。
長者ケ原遺跡が整備される以前には、ヒスイ大珠やこの砥石がゴロゴロと落ちていて土留めに使われ、近隣の農家が拾って鎌を研いでいたと「糸魚川市史」に記述されているのも、納得の研磨力。
それにしても、数ある石の中からこの砂岩を発見し、砥石にベストと判断した縄文人の観察眼、あくなきモノ作りの執念に感服する。
穿孔実験成功の今は、切断・切削・研磨の実験に取り組んでいる。面白いですよう。
#長者ケ原遺跡 #糸魚川ヒスイ #ヒスイの砥石 #縄文人の必須アイテム
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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