物部彩花さん来訪

顔だし厳禁の各方面の大御所の訪問が続いている最近のぬなかわヒスイ工房に、顔出しOKの音楽家が訪ねて来てきた。

ソウル歌手として活躍する物部彩花さんで、物部は芸名ではなく本名とのことで、人生初の物部氏との出会い!

石笛が欲しいと電話相談を受けた2日後に来てくれたのだけど、こういった素早い行動力のお客さんは、旺盛な好奇心をもつ現役バリバリに活躍している女性が多い。

商品サンプルを次々と身に付けてくれたが、写真を撮られ慣れているのでポージングが上手で、商品写真見本にさせてもらうことになった。
長者ヶ原遺跡、稚児ケ池で素晴らしいブルース声を披露してくれたが、いつもながら聴衆は私だけという得難い体験。
樹に成っているクルミを初めて見た驚きを表現してくれる物部さん。表情とボキャブラリーが豊かな女性でありました。
 
秋になると落果するので、かって糸魚川の人はリスに拾われる前に集め、郷土料理の「笹寿司」の具材に利用していたとか、大雨で川に流れ出て、私の子供の頃は海岸に漂着したクルミを石で割り、細い流木でホジホジして食っていたと説明すると、なんとワイルドな!とみなさん驚いてくれる。
卑弥呼など古代の女神に興味があるとのことで、出雲に追われたヌナカワ姫がお隠れになった伝説がある稚児ケ池で、朗々と祝詞奏上。
 
石笛を選ぶ時は、「この石笛は背骨に響いて腹に落ちて来る集約的な感じ」「フワ~と体の輪郭が消えて最後に纏まっていく感じ」と、私とまったく同じ身体感覚を共有していて、そうそう!と握手したりハグしたりw。
立体造形は「奥行きと密度」がないと二次元的表現でしかなく、予定調和的なモノ作りは品格がなく即興性が肝要とするのが私のヒスイ加工論だが、彼女の口からも「音楽に大事なのは奥行きと密度・・・」とまったく言葉が出てきて、なんでわかるの!とあなたナニモノ!?と驚いた。
 
答えはご両親が「奥行きと密度」を基礎にする彫刻家とのことで納得。
 
縄文・ヒスイ・ヌナカワ姫のキーワードは、糸魚川と人をつなぐ天の鳥船、常世と現世を渡す橋。
 
みなさん、糸魚川にいらっしゃい!待っておりまするぞ!
 
 

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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