新発見された武四郎の遺品・・・ロウカンヒスイ製の丁子頭勾玉
「松浦武四郎記念館」の館長がぜひ見て欲しいものがあると、5年前に新発見された未発表の武四郎の遺品を出してきた。遺族の方が仏壇の棚の奥を整理してでてきたものであるらしい。
武四郎がタバコ入れに利用していた柿渋が塗られた和紙製の合切袋が5~6点ほどあって、それぞれ根付が違うので武四郎は日替わりで楽しんでいたらしい。いづれも友人の書家により北海道人翁・火の用心と墨書きされている。

根付の石材の目視鑑定をたのまれたが、根付は赤瑪瑙の彫刻製品が多い。

ストッパーの丸玉は黒曜石やラピスラズリまで様々。

単品の黒い丸玉は黒曜石だとおもう。

なかでも大いに興味をもったのが、古物然とした軟玉ヒスイ製の彫刻製品(中国渡り?)の下に硬玉ヒスイの漂石がセットになったタバコ入れで、ことによると硬玉ヒスイは縄文後期くらいの垂飾(すいしょく)ではないか?

そして蒔絵の小箱におさめられて特別あつかいされていたのが、見事な透明感をもつ深緑色をしたヒスイ製の丁子頭勾玉!いわゆるロウカンと呼ばれる最上級ヒスイである。

紐孔に絹の飾り紐が通されて赤縮緬の座布団に糸で縛りつけてあるので比重測定こそできないが、透過光の色相と手にした時の重量感、加工痕と形状から弥生中期の北部九州製ではないか?
いつか企画展で公開されると思うが、「山田さんならSNSに投稿して頂いて結構です。予算がないので宣伝してください!」とのこと。なので眼福のお裾分けでございます。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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