転んでもただは起きぬヒスイ職人・・・縄文の涙滴形勾玉の謎
千歳市の「美々遺跡」出土の涙滴形の勾玉は、加工途中で割れた勾玉のリメイク品ではないか?と直感した。他に類型がない珍しいカタチだからなおさらそう思った。

こんな感想を北海道埋蔵文化財センターの先生にはなしたら、「思いもしなかったけど、ヒスイ職人さんらしい意見ですねぇ。」と怪訝な顔をしてらっしゃったが、ヒスイ加工歴30年以上の大先輩に写真をみせたら、わたしとまったく同じ意見だった。

プレートつくりをするのは、随意のカタチに加工しやすいからという他に、割れる石目を観察する目的があるのだけど、それでも途中で割れることがあり、もったいないから欠片の形状を活かした小さな勾玉につくりかえる。

この勾玉をみた時に3,000年前の先達に「やっちゃいましたねぇ、勾玉つくりアルアルですよねぇ、わたしもたまにやっちゃいますわ」と、話しかけて、わたしのリメイク品をみせたくなった。

証明しようもいないことだけど、ヒスイ職人なら同じ意見をもつことは間違いない。

昨年に美々遺跡の勾玉とそっくりな勾玉をつくったこともあり、ギャラリーに並べておいたら「これ超かわいい!」と買ってもらえた。写真を撮っておけばよかったナ。
転んでもただは起きぬヒスイ職人w
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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