吉村昭著「関東大震災」で首都圏直下型地震シュミレーションを!・・・能登半島地震
一次資料を基に関東大震災を時系列でレポートした本書は、首都圏直下地震のシュミレーションになるから多くの人に読んでほしいものである。

発災の18年前に関東大震災が50年以内におこり、道路の寸断と断水により消火不能となる大火災が発生し、死者20万人と想定した地震学者がいた。
しかし騒然となった世論の沈静化をはかった地震学会の重鎮から全面的に否定されてしまい、消防体制の整備が急務とする警鐘は黙殺された。
そして想定が的中して22万人の死者をだしたのが「関東大震災」である。
奇跡的に焼け残った地域は、江戸時代に頻発した大火災でも住人たちがバケツリレーや倒壊消火により被災を免れてきた、自助・共助の防災意識が高い地域だったという点も興味深い。
本書で最も注力しているのは根拠のないデマを信じ込んで朝鮮人を虐殺した民衆への警鐘で、その背景として「韓国併合」により朝鮮人を二等国民と差別・弾圧してきたことへの後ろめたさの裏返しと断じていて、わたしも同じ解釈をしている。
広告費目当てのSNS投稿で流言飛語が拡散される昨今、この点は気をつけないと同じことが繰り返されるに違いない。
警察の調書には朝鮮人労働者がトラックに乗せられて都内の救援に行った際に、集団ヒステリーに陥った群衆に惨殺されたこと事例がいくつも記述されていのだが、岸田内閣も小池東京都知事も朝鮮人虐殺を未確認としているのは、認めないことになんの不都合があるというのだろう?
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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