稀代の名優、三國連太郎さんの研究にも貢献したブックスサカイ・・・書店の存在意義
4月23日の投稿で、糸魚川に来た映画のロケ隊は、むかしは駅前にあった酒井書店(ブックスサカイ)で買った本を喫茶店で読んで無聊を慰めていたのでは?と書いた。
酒井書店で買った本を抱えて出てきた三國連太郎さんに遭遇して、声をかけたら「糸魚川の郷土史を調べてます」とサインをもらったと高校の後輩からの証言!やっぱりねぇ。

若き日の三國連太郎さんは徴兵から逃げて捕まり、中国に送られたが上官から殴られても1発も鉄砲を撃たなかったり、俳優になっても映画会社や監督とイザコザが多く、女性問題などで有名だったのだけど、被差別部落出身とされる義理の父親から大事に育てられたことが影響して、権威きらいの自由人になったと、確か沖浦和光さんとの共著「差別と芸能の真相」に書いてあったと記憶してますな。

今も残っているだろうけど、かっては芸能に従事する人は「かわら乞食」とさげすまれていた時代があった。読みやすいので差別問題の入門書にオススメだけど、ネット通販じゃなくて街の本屋さんで注文をしてくださ~い!

三國さんは「戦争と人間」では冷徹な悪党を怪演していたけど、「飢餓海峡」のように憎めないアウトサイダー役もはまり役でしたねぇ。

警察が国鉄の組合つぶしを目的に自作自演でおこした「松川事件」を題材にした「にっぽん泥棒物語」でも憎めない悪党として「土蔵破り」の泥棒を演じたけど、裁判の証言で「オラはドロボーだぁ。でもよ、嘘は泥棒のはじまりというでないかい?警察もオラと同じドロボーでないのかい?」と警察をやり込める場面は、権威きらいの三國さんの真骨頂。社会派の山本薩男監督と想いは同じ。
わたしが高校3年の時の糸魚川市文化講演会の演者が三國連太郎さんで、演題は戦争反対と差別問題、親鸞聖人の教えに救いを見つけたといった内容だったと思う。後輩が遭遇したのはこの時のような。
差別問題に詳しい大学教授の友人から聞いた話で真偽不明だけど・・・被差別部落問題が一躍クローズアップされたのは、結婚に反対された糸魚川の被差別部落の女性が自殺した事件が最初で、三國さんはこの事件を調べていたのかも。
酒井書店さん、三國連太郎さんの研究にも貢献したのですよう!
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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