占領下の未解決事件「下山事件」を探偵する・・・渋すぎるNHKスペシャルドラマ

どうせ安っぽい再現ドラマでしょと思いつつ、占領下に国鉄の下山総裁が謎の死をとげた「下山事件」の流れを知りたくて視聴したら、ミステリー映画として通用しそうな渋い内容に見入ってしまった。

大河ドラマや朝の連続テレビ小説の、饒舌な長ゼリフや漫画チックで大仰な芝居はいただけないが、ハードボイルド調の端的なセリフと充分な間、抑えたリアルな芝居に唸る。

主演の検事役の森山未來さんの演技は、ハンフリー・ボガードやヘンリー・フォンダみたいにポーカーフェイスなのに立派に感情表現してるではないですか。こんな巧い若手俳優もいたんですなぁ。

暗い画面に逆光を当て、素早いモンタージュを多用した絵づくりが緊張感を高めているが、ハードボイルドSFアニメ「攻殻機動隊」の影響だろうかネ。

調べたら脚本と演出は大河ドラマもやってらっしゃる方々なので、視聴率より、良質さを優先するNHKスペシャルの枠なら、硬質な社会派ドラマもつくれるのね。見直しましたぞNHKスペシャル。

関係者はみんな死んでるし、事件は時効になっているとはいえ、真面目な鉄道マンだった下山総裁の怪死の裏には、冷戦時のGHQの反共プロパガンダや、戦犯逃れの旧陸軍諜報機関の謀略、右翼の大物の児玉 誉士夫が絡んでいることを暴露しちゃって、NHKさん大丈夫か?と心配になったくらいw。

#NHKスペシャル下山事件 #下山事件 #東西冷戦の犠牲になった国鉄総裁

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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