硬いと固いの違い・・・アメジスト石笛
知人の所に遊びに行ったら、生アメジストの原石がゴロゴロと転がっていた。
宝石類は、脱色・着色処理をして色合を調整するトリートメント処理がされた上で加工販売されているのだけど、アフリカから直輸入のトリートメント未処理の生の原石との事。
結晶の通りに割れて荒々しい姿と、綺麗に発色した紫色に魅せられて、興味本位で一番でかい原石を1個だけ別けて貰った。
原石を机の上に置いて眺める事数か月・・・作るべき姿が観えてみた・・・原石の姿を活かした石笛を作ろう!
完成したアメジスト石笛。活花のように、原石の姿を活かした活石というべき石笛。人為を感じさせない、個性を出さない受動的な仕事こそが私の目指す処であり、整体の稽古にもなっている。如何?
太陽光でも透ける!
暗い所で光を通すと妖しい紫色・・・美輪明宏さんの石笛にぴったり!
モース硬度7という非常に硬い石なのに、結晶の縦方向からなら意外に簡単に孔が開いた。モース硬度が高いと加工が難しいという訳ではない。ヒスイも含めて石材加工には結晶を読み取り、逆らわないという技術は必須ですな。勉強になりました。
ヒスイと違って、単結晶の石はこういう所が素直で有難い。
ところが研磨が難しいのだ。
研磨の最終工程の摩擦熱で、完成目前にして表面剥離しやがった。
アメジストは、硬いけど、固くない石なのですね。
硬い・・・表面が傷つき難い
固い・・・割れにくい・壊れにくい
でもこの違いは、実際に加工した人でないとピンと来ないでしょうなあ。
蛇紋岩はモース硬度こそ硬くないが、縄文時代には磨製石器に加工されて各地へ運ばれたくらいだし、実際に加工してみるととても加工し易い優秀な石材だと思う。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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アメジストとは
縄文人さんともあろうお人が「アメ”ジ”スト」とは?
確かに世間では”ジ”と発音している人が多いので仕方ないですが、正式には「アメ”シ”スト」です。
赤城おろしさんへ
Tシャツ、パソコン、エアコンのように日本だけで通用する外来語とは意味が違うのですが、外国人の名前なんか日本的な発音で一般的になっているようなもんじゃないでしょうか(笑)
インドの映画監督サタジット・レイも、インドではそのままでは通用しませんで、サタジット・ライと発音しますが、インド式の発音だと(正式に)カタカナでライと表記する事も違うのですよ。ま、一般的に理解されている表記という事で。
追加
因みに、この原石を分けてくれたバイヤーさんは10代から世界中を歩いて原石を輸入しているオジサンですが、彼もアメジストと濁音を付けていました。
キングコングだって英語風・・・つまり正式に発音すればキンコンですし、逆にホンコンはキングコング的に発音すればホングコングになる訳ですから、聞く人に応じて聞き取り易いように濁音を付けたり無しにしたりしても間違いではないように思います。