白土をサラサラにする方法をご存じの方、教えて!・・・メイドイン糸魚川の可能性
画家の五味政明さんからの依頼で顔料粉砕用の石皿を作った。
改良点は粉砕した顔料を外に出しやすく、さらに開いた片口部分を広げた事。
メールでやり取りしていて、五味さんが白土を欲しがっていることが分かったので、ストックを送った。
白土で白い顔料を作りたいらしい。
白土は正式には「酸性白土」であり、熱酸処理をして活性白土を作る原料である。
活性白土は多孔質ゆえに吸着・脱色性に優れ、石油の精製などに用いるためにかっては海外へも輸出されていたが、近年は合成ゼオドライトに取って代わられ、国内の生産は激減しているらしい。
糸魚川市にも活性白土の工場があり、元工場長のKさんから鉱山に案内して頂き、掘ったばかりの白土で顔料を作った事がある。
ところが白土を石皿で粉砕すると、カラカラに乾燥させていても粘り気があって粉末になり難く、大変な作業。
粉末にして絵具を作ろうとすると、メデューム(定着用の液体)に均一に溶けてくれず、斑状になってしまうのである。
だから絵を描くにしても、パテを盛る感じでゴテゴテの厚塗りになってしまうのが難点。因みに二重反転螺旋の絵は新潟県立博物館のトレードマークで、白い部分はヒスイ。
分子結合の関係で、なにか触媒を利用しないといけないのかも・・・。
ご存じの方、教えて下さい!
追記
後日、大学で粘土工学の教授をしている同級生から以下のアドバイスがありました。
「白土は酸性が強く、粒子同士が凝集してしまう性質がある。かなり入っているカルシウムも凝集の要因の一つ。普通の粘土の場合にダマになってしまう時は、ピロリン酸ナトリウムなどの分散剤を使い、少しアルカリ性にして、ナトリウムに変えるとよい。」
なるほど!持つべきものは友ですなあ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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粉砕
色々とありがとうございます。
いただいた石皿は粉砕のためというより粒子の調整のためです。
白土も粉砕せずに粒子化することは可能ではないかと思っています。
基本的に「あってるか間違っているか」という発想をしません。
また行動に移すのは、その時を与えられたときにするという姿勢なので、ご報告が遅れていることをご容赦ください。
性格なのです(笑)
当方、気になる事を解決しないと次に進めないという困った性分(笑)
でも昔の人はピロリン酸ナトリウムの代わりに何を使って白土を凝集しないようにしていたのか・・・新たな疑問にモンモンとしています(笑)
サラサラ
それでは少し書いてみますね。
白土のかけらを多めの水の中に浸けます。
すぐに白土は崩れ始め、微細なものは水中を浮遊します。
全部崩れたら良く掻き回し、しばらく置きます。
白土は沈殿しますのでうわ水を捨てます。
あらためて水を加えて攪拌し、しばらく置きます。水を取り替えます。
これを何度も繰り返し精製します。
沈殿したものの上層は微粒子なので、水を捨ててから、その部分を取り出します。
この工程で微粒子の白土を手に入れることができます。
それでも凝集性は残っているでしょう。
しかしこの凝集性こそ白土の特性であり、自ら固まろうとすることゆえ壁画の下地に向いていると思われます。フレスコのように。
別物を混ぜて凝集性を奪ってしまえば白土を使う意味がありません。
この微粒子のものを水性メディウムと混ぜる時は、あらかじめ水でサラサラにしておくと分散が良くなるでしょう。
サラサラ
上のコメントに名前を入れるのを忘れました。
絵を描いていると不思議なことにいっぱい遭遇します。同じ処方で描いても、一回一回違います。それを面白がるようになっています。
ありがとうございます!
Unknown 様
貴重な情報を有難うございます。
白土の塊りは結構大きかったので、石皿で砕いた後、水に溶かしては上澄みを捨て水干する事を3度ほど繰り返して、底に干上がったケーキ状の塊りを再度、石皿で砕いて篩分けして粉状にしてからメデユームに溶いておりました。
最後の篩分けをパンストなどでもっと細かくすれば良かったのか?
それとも完成したゴテゴテのパテ塗り状態が白土の限界で、それ故に胡粉に取って変わられたのか?暖かい春になったら再度研究してみます。有難うございました。