魔除け「猪目」の三題噺・・・唐草紋線刻猪目形ヒスイ石笛

古墳時代から使われ始めるハート形の古典的意匠、猪目(イノメ)を立体的なカタチに作ったのが、「唐草紋線刻猪目形ヒスイ石笛」。

猪目は邪悪を睨み返す魔除けの図像。兜の大鍬形の先端近くに、小さなハート形の孔が透かし彫りにされているのが武具使用例の典型。

ホタルみたいな透過性のヒスイ

古代人は勇猛な猪の眼で邪悪を睨み返す意味を籠めたらしいが、猪の眼を調べてもハート形には見えず、何故ハート形なのだろう?

古代ギリシャのハート形図案が伝来したらしいが、日本では絵画モチーフではなく、刀剣や甲冑の拵え、あるいは寺院や城郭の装飾として彫金細工で透かし彫りで使われることが多いことも気になるし、龍や熊、狼でも良さそうなのに何故、猪の眼?

 ハート形・猪・金属の三題噺の謎、そのオチは如何に?

 

 

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

魔除け「猪目」の三題噺・・・唐草紋線刻猪目形ヒスイ石笛”へ0件のコメント

  1. dream-duck より:

    最初、私もそう思いました。
    https://goshumemo.com/whats-inome64/この方の猪の横顔の目を見てから、納得しましたよ。

    翡翠、素敵ですね。

    ブックマークさせてもらってます。

  2. 縄文人(見習い) より:

    dream-dack様
    ご教示ありがとうございます。
    何らかの抽象化をしていることは間違いないと思いますが、猪目の意匠が彫金細工に多いという点は謎ですねぇ・・・ご紹介頂いた資料の中に猪目洞窟が紹介されていますが、出雲と言えば古代たたら製鉄の本場。
    お陰様で製鉄民の伝説が由来している可能性が見えてきました。

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