言葉で説明すると逃げていく、懐かしいモノ・・・白ヒスイ「ハヤトの石笛」
平城京の井戸遺構から出土した「隼人の盾」を知ったのは20歳くらいの時で、心の奥底に眠っている何かに響いて、「これ知ってるぞ!懐かしい!」と得体の知れない胸騒ぎを感じた。
実物は上下に三角が連続した鋸歯紋も描かれ、赤い部分には黒で二重に縁どられているが、そっくり同じ文様が描かれている台湾の蘭嶼島に住むタオ族の漁船の存在を知ったのは高校生の時。

5歳くらいから同じ文様を描いていたことも思い出した。逆S字の渦巻模様は、睨み返しの破邪の文様?膨張と収縮を繰り返す宇宙、すなわち人智を超えた神なるものの抽象化?言葉で説明しようとするとずれていってしまう何かであることは確か。

小学生の時、逆巻く波の奥の緑色を見た時、「知ってる!ヒスイの色だ!あそこに還りたい!」と狂おしい想いにかられたことがあり、そんな経験の積み重ねがヒスイ職人になった動機の一つなのかも知れない。

白ヒスイに線刻彩色した「ハヤト石笛」。子供のころからの驚きが今でも新鮮に繋がっていて、仕事になっているのは幸せ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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